協同イベント
「家の模型と街を創り上げる体験学習型ワークショップ」に参加してみて
Cue studio/菊地 晴香/設計
┃講師としてワークショップに参加を決めた理由は何ですか?!
【子ども達の次世代育成に、熱心な友人からのオファーでした。】
『学校では教えられない、専門職について』体験型ワークショップを通じて、ボランティアスタッフを募り、体験型の講義を開催するとの事でお手伝いをさせて頂きました。
今回お声がけ頂きました主催の平野 真世さんは、教育従事者の方で多彩な方面でご活躍をされている女性起業家さんです。
(一般社団法人 ネオパレット代表理事/ EFL英語塾代表/ 狭山よつば塾 副代表・講師)
そんな平野さんの仕事におけるテーマが『一人ひとりの個性が美しく輝く次世代の教育を』との事で、
もっと子ども達が自分で考える力を身につけられ「子ども達自身が、未来の選択肢を増やして行ける」事を目的とし、SDGs第11項目「住み続けられる街づくりを」に基づきプロジェクトが開催されました。
私が参加させて頂いたのは、実は三回目で、第一回は「留学」第二回は「テレビのエンタメの世界」をテーマに開催されていました。
私も学生の頃に、自己が何か分からない時に進路を決めて行く事に、大変苦労を感じていたので建築で少しでも選択肢としてアドバイス出来たらと思い、参加させて頂きました。
┃参加された子供たちにどのように建築の魅力を伝えましたか?!
【建築の力で人々を幸せにする。】
建築を造るという事は同じような空間でも、使う方が快適にお過ごし頂けるような様々な面白いアイディアや、美しく見えるような工夫があります。
誰の為に、何が目的で、その為にどのようにデザインしていくか、モノの一つ一つの意味を意識していくと世界が変わって見える魅力をお伝えしました。
ただし、一つ一つ気を使いながら考えていかないと、空間を崩してしまう世界でもあります。
その為に、知識を身につけ、多くの自由な発想と合理性のバランスを取る為に勉強をする理由があると教えました。
子ども達は、自分たちが今いる空間において一体どのような大人がどのような工程で空間が造られて行くのか、真剣に聞いてくれました。
┃子供たちと一緒に模型を作ってみてどうでしたか?!
【経験に囚われないからこそ、自由で新しい発想がありました。】
プロになってしまうと、ある程度の形が方程式のように順序立ててしまう癖があります。
ですが、子ども達は参考作品が無い中で作っていったので、一つ一つのテーマを持たせ、
そのテーマにおいて、何をしたいかが明確に分かりとても面白かったです。
事前に講義にて、Cuestudioの事例紹介をさせて頂きましたが、Cuestudioの事例コンセプトは結構ユニークな方が多く、「大人の人でも、こんなに面白い考えを持ってもいいんだ!」と子ども達に感じて頂けました。
サッカーが好きな子は、スタッフが想像も出来なかった素材でゴールを作っていました。
┃参加された子供たちから菊地さんはなにか学ぶことはありましたか?!
【人に作業をお願いする事が出来る、謙虚で思いやりのある子ども達と感じました。】
今回のワークショップは制作時間自体は3時間とタイトで、子ども達にとって初めて扱う数々の専門的な道具が殆どでした。
ですので、慣れない中でもスタッフの方と協力して作業を行い、完成出来たと思います!
初めての模型作りで作業工程が見えにくい中、お手伝いのスタッフの方々にしっかりと「自分の意志で作業をお願いする。」という事がちゃんと出来ていました。
建築の仕事においても、一人で完結する事はなく、運営する人、計画する人、作る人と様々な方と仕事をする事がほとんどです。
伝え方にしても、相手に対しての思いやりがないと成り立ちません。
後工程を考えながらそれが自然と出来る、思いやりのある謙虚で素直な子達でした。
┃ズバリ!今後の住宅業界と街のあり方はどう変わっていきますか?!
【SDGs第11項目「住み続けられる街づくりを」を基に、街に寄り添いながら考えて行きたいです。】
今はあまり馴染みのないSDGsですが、住宅業界もより参入していくと感じています。
コロナによりオフィスへ行かない文化にとなり、より住まう街への考え方などにコミットし、変化していると思います。
住宅⇔オフィスといったような、癒やし空間と仕事空間とのグラデーションを考え、また地域社会へ新しくアプローチしていく事がテーマだと感じています。
私達は、人々が住宅の力で快適に、そしてこれからの暮らしの目的に沿うような形で住み続けられるお住まいとなるよう、ご提案出来ればと思います。